兵庫県三木産
どんな上質の肥料でも、もともとその地には無い素材を投入してしまうと、土は痩せ、作物が腐敗していく原因になると聞きます。
農薬散布すると、畑の自然を保ってくれる全ての生き物が生息できなくなります。肥料も農薬も施さない栽培はブドウが元気になる育て方になっています。
肥料も農薬も施さなくても、森や草原の生命はすくすく育ちます。そこでは、その地に合った微生物や小動物などの生態系が育まれ、自然が本来の姿のまま無駄なく循環しています。そのような環境を目指す畑で育つブドウは、自ら養分をふんだんに吸収して、とても美味しく育ってくれます。
雑味は、人的・化学的な介入が多いほど生じてしまうように感じます。その上で、ブドウの生理を活かした剪定や仕立て方を必要最小限に取り組むことで、ブドウは本来の美味しさを表現してくれるように感じます。素朴な味だったり複雑な味だったり、自然の味はどれも本当に美味です!
8月下旬〜9月中旬
大粒で美しい紫黒色。高級品種で希少な種ありは、蜂蜜のような甘さに、さっぱりした酸味がいいアクセント。
9月初旬〜10月中旬
黒葡萄の代表格、口に含んだ瞬間に感じる複雑な甘みと爽やかな後味は、希少な種ありピオーネならではの味わい
9月中旬〜10月中旬
苦味と渋みは少なく、甘みと酸味のバランスが良く、どこか懐かしく感じる味わい。川と種も果肉と丸ごと食べられる。ジュースやジャムにも最適。
※赤系の、安芸クイーン、ルビーオクヤマ、ロザリオ・ロッソ等、緑系の、国立シードレス、ロザリオ・ビアンコなども数年後から加わる予定です。
地産地消の手売りワイン
一般的なワインが、その過程で培養酵母、補糖や補酸、添加物を使われるものが多い中、兵庫県中岡農園のワインは、それらを一切使わず、ブドウとブドウに付着する天然酵母だけで醸造します。最大限にブドウの力を引き出し、表現していると言えます。
ブドウそのまま、何も足さない、何も引かない、だから生食のブドウを食べているかのようなフレッシュさがあり、体にやさしくじんわり染み込んでいくようです。その年のブドウそのままの、ブドウのお酒といった感じです。
原料すべて自園産。産地の土、日照量、降水量、生態系等の条件や環境すべてを受け入れて、ブドウは力強く育ってくれます。
このワインは風土を醸し出してくれていると思います。
2016年兵庫中岡農園MBA 同じブドウから作られる3種類のワイン。
~Pur Raisin~、~Entre la cuve et le fut~, ~En bois~ 世界でもほとんど出会うことのないブドウ100%、完全無添加のワインです。
色は赤ワインとしては極明るく赤を基調とした輝くルビー色のPur Raisin、そこから他の2種類は何故かやや熟成した色合いを微かに強めていく。
優しく、チャーミングそして艶めかしい、だけど幼さを感じさせる苺を中心とした様々な赤い果実、スミレなどの花々。
ドライなのに優しく温かい甘さを思わせる。儚さそうで自己主張は意外と弱くない。
次のキュヴェへ進むにつれて仄かだがバターやフロマージュ、ドライジンジャー、白コショウなどのスパイスを思わすフレーヴァー。
骨格が感じられるようになり幼さが抜け大人っぽさを感じさせる。 オレンジやイチジクのニュアンスも隠れてるようだ。
軽くて物足りなさを感じさせる、でも気づくとまた一緒に・・・。 そんな優しいワインです。
ブドウ品種はマスカット・ベーリーA(MBA)です。
全てにおいて、大変丁寧に醸造していただいた印象です。
元々一つのタンクに仕込んでいまして、
そこから3つのタイプにしてみました。
(岡山 ドメーヌ・テッタ)
以上、7種類のワインを委託醸造でお願いしています。
自然が作り出す全ての物は、この上ありません。
自然はすばらしく、また厳しいです。
ブドウ栽培は私に向く仕事。時に大変です。
自然の摂理を出来るだけ知ろうとし、また受け入れ、
自然を敬い、人は自然と共に生きている、常に係わりあっている、
共生は目指すものではなく、ごくごく普通のこと。
そんな考えや感じるものがあり、
私ができることとして、肥料も農薬も施さない栽培、
に辿り着いたように思います。
ですのでこの表現には、私の自然や栽培に対しての凝縮された思いだけでなく、
また同時に限界も感じる、そういった思いも込められています。
収量過多にしてしまったある年の翌年、花が減ってしまいました。
その現象を観て、グッとこみ上げてくるものがありました。
昨年は無理をさせていたんだな。今年は休ませてもらうよというサインだな。
ブドウをパートナーと考えている割には、自分勝手なことをしている。
毎年安定した収量を取るという訳ではなく、
ブドウの樹と長く付き合っていくためにブドウを主にして、
自然を敬う思いと、その思いのある栽培の技術力の両方がなければ、
いつか行き詰ってしまうのではないかと感じました。
自然をどうこうしようと、人はあまり考えない方がいいように思います。
自然に寄り添う、共生する、作物にはそのための栽培力があればいいように思います。
私には、肥料も農薬も施さない栽培は、
目の前に光が差し込んできたような感覚がありますし、
自然と人の共生と、持続可能な農業、暮らし方を、
体現できる一つの答えではないかと思っています。
兵庫中岡農園
中岡元
醸造家のコメント
今年は2度目の仕込み。1度目の時と同様に腐敗果はもちろん見当たらず、とても綺麗な藤稔とピオーネでした。
毎年、中岡さんのブドウを見るたびに、とても真摯にブドウと向き合ってらっしゃるなと感じ、頭が下がります。
白ワインを造って欲しいとお願いされましたが、藤稔とピオーネは黒ブドウと言って、
通常は赤ワインを造るブドウなので、ロゼに仕込みました。酸化防止剤を使わず、天然酵母で造っています。
なるべく渋みが出ず、ブドウ本来の旨味を出す様に心がけました。
その結果、「campo」,「filo」,「filo spumante」それぞれがとても柔らかく、優しく穏やかで包容力のある味わいに仕上がってくれました。
1本まるまるをスルンと飲み干せます。中岡さんのブドウに対するお気持ちそのものを表現できたのではないか、と感じています。
グラスの中で時間を経ると、華やかな香りが広がってきます。
大切なくつろぐ時間のお伴にぜひお召し上がりください。
(滋賀 ヒトミワイナリー)